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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第41・42話 [第二章「銀幕の裏側で」]

投稿日時:2008/12/08(月) 08:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第41・42話
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動揺を突かれた俺はとんでもない球を返してしまった。

「別に…。」

 

このことばにあかりが静かに切れた。

 

 

「先輩に対して別にはないでしょ。受験勉強しなきゃいけないのに、シナリオひとつまともに仕上げられないあなたのためにわざわざ付き合ってあげてるのよ。どうせ深雪さんとふたりでやりたかったんでしょ。」

 

まずいよ、このままじゃ。深雪さん、頼む。


「蒼也くん、別に、はないでしょ。ひかりは君と二人っきりで会うのを心配してついてきたんだから。」

うぅ、ますますまずい。勝ち気なひかりには絶対いっちゃいけない一言だ。

 

 

「別にはシャレですよ、ほら」

 


「月森さんにはすごく感謝してます。今回のシナリオのことでも、いろいろ教えてもらったし。もともとひかり、いや月森さんとの話しからあらすじはできてきたわけだし。」

「へぇ、そうだったの」

 

 

 

深雪さんがうれしそうに返してきた。俺のことを挑発してるのかとドキドキしたが、そうでもなさそうだ。

「というか、一番大事な伏線となっている小さい頃のエピソードは月森さんの話しがヒントになってるんだから」

ちらっとひかりを見た。さっきまで尖がらせていた口は、少し微笑んでいる。なんとか危機は抜けたようだ。

 

 

 

「あぁ、あのとこね、私も実は少し気になっていたのよ。たしかに伏線にはなっているけどね。」


「そうなんですよ。自分で書いていて何か自分のものになっていないというか、感情移入ができてないという感じかな。」

 


「ひかり、聞いたでしょ。シナリオの完成にはあなたの協力が必要ね。というか最初からふたりは協力していたわけね。」


「ちょっと話しただけです。それを勝手に蒼也くんがいれただけで」

 

 

 

ひかりがちょっと照れて答えた。

 


「でも、あのエピソードがあるからおもしろいのも事実ね。すこし蒼也のものになっていない感じもあるけどね。いずれにしてもふたりが一緒に作業しないと完成しないことはたしかね。ひかりも受験勉強が大変なのはわかるけど、ここはひとつ映研のために時間とってよ。」

深雪さんの勢いに俺もひかりも押されるように答えた。

 

 

「はい」

 

 


「これでよしと。じゃあ送ってくよ。」

 


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実力テストが終わり、このところ続いた長雨も、私たちの心を映すかのようにからりと晴れた。
今日からロケが始まる!

邪魔な黒木も岡野ももういない。
私、春川萌の時代が来るんだわ!
ひかり先輩は後で様子を見に来るらしいけど、それはそれでいいか。
私はメイキングビデオの撮影に専念できるし。

 


 そんなことを思いながら虹の橋につくと。
岸辺に女の子がいて、ぼんやり濁流を眺めていた。
中学生くらいだろうか。ちょっと絵になる光景だけど・・・。

 

七尾先輩は、驚いた顔をして女の子に近づいていく。
・・・ちょっと可愛いからって、私と翠さんを差し置いて他の子に目を奪われるなんて。
これだから男は信じられない!
むかつきつつ私はカメラを回す。
後でひかり先輩にも見せてやることにしよう。

虹色プリズム第41・42話イラスト


「すみれ!何でこんなところにいるんだ?」
 女の子は七尾先輩の勢いに気おされたのか後じさった。
そのとき、足元の土が崩れた。
少女の体がぐらりと揺れ、水かさの増した濁流の中へ・・・!

 

 

あわや、のところで七尾先輩の手が彼女を掴んでいた。
慎重に、引っ張りあげる。
「大丈夫か?」
安全なところまで移動して七尾先輩はそう聞き、青ざめた女の子は無言で頷いた。
しかし靴は片方流され、靴下はずぶ濡れ。スカートにも泥がついている・・・。

 

 


 真剣な面持ちで近づいた翠さんが女の子に妙なことを言った。
「あなた・・・七尾さん?それともこの前の・・・?」
七尾先輩も怪訝な顔をしている。

 

 

女の子はようやく口を開いた。
「私・・・風見といいます」

 


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