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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第43・44話 [第二章「銀幕の裏側で」]

投稿日時:2008/12/15(月) 09:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第43・44話
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「風見・・・って?すみれじゃないのか?」
七尾くんは当然、困惑していた。
あたりまえだと私だって思う。あの日の帰り道、ひかりさんの携帯電話に入っていた写真を見せてもらったけれど、

まさしくこの、風見と名乗る女の子とそっくりだもの。

 

 

「七尾くん。あのね、私とひかりさん、最後のミーティングの帰りに、この・・・風見さん?に一度出会っているの。ね?」
風見さんはコクリと頷く。

「ひかりさんも、すみれちゃんと間違えて声を掛けたんだけれど・・・。他人の空似ってあるのね」
風見さんはまだ青ざめた顔のまま、少しぼうっとした感じだ。
一方の七尾くんは、目を丸くしたまましげしげと風見さんを眺めている。

「あのぉ。すみれって誰なんですかぁ?」
ビデオを回したまま近づいてきた萌ちゃんが、間の抜けた声で質問をした。

 

 

とりあえず風見さんには濡れてしまった靴下をぬいでもらい、撮影セットにいつも入っているハンドタオルで水分を拭き取りつつくるんだ。ぬいだ靴下は自転車のかごの中で多少でもと乾かしている。

「靴が片方ないとなると・・・。家は遠いんですか?確か隣町って言っていましたよね?」
私が少し落ち着いた風見さんに尋ねると、少し困ったような顔で風見さんは頷いた。

 

「電車で1駅なんですけど、駅からが結構あるんです」
ここから駅までも、裸足で歩くには結構あるし・・・。

「あ、じゃあ、私の上履き使っていいですよぉ」

 

萌ちゃんがにこやかに提案した。

 

 

虹色プリズム第41・42話イラスト


「上履き?」

 


七尾くんが聞き返す。

 

 

 


「はい。さっき見たら、風見さんの足のサイズ、22でした。私と同じなんですよぉ。自転車ありますし、ここからなら5分くらいで行って帰ってこれます」
にこぉ、っと笑いながら説明する萌ちゃんは、なんだか嬉しそうだ。
「でも、そうしたら明日の学校はどうするの?」

 


「大丈夫ですよぉ。もう、ストックが買ってあるんですぅ」
やはりなんだか嬉しそうだ。

 

 


「靴下だけで帰るよりは、上履きでも履かないよりはいいでしょ?」

 


にこっと萌ちゃんが風見さんに聞くと、風見さんは申し訳なさそうに「でも、そんな上履きまで貸していただいては・・・」と、蚊の鳴くような声で呟いた。

 


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失礼ではあるけれど、大空に溶け込むようにあの曲を歌い上げていた人物とはとてもじゃないけれど思えない。

「そうなんだ。あの時の友達と待ち合わせをしていたのね」

 

萌ちゃんが上履きを取りに行っている間、私と七尾くんは風見さんと雑談をしていた。

 

 

 


「ええ。来月の合唱コンクールに向けて、練習をみてもらっていたんです。あの・・・私だけが、下手

 

だから・・・」
なんだか、訥々(とつとつ)と話す子だな、と私は思っていた。あんなにのびやかに、上手に歌っていたのに・・・。
「もしかして、北緑中学?合唱部が有名な」
風見さんは少し驚いたように七尾くんの方を見て、「そうです」と小さくうなずいた。


しばらく七尾くんと風見さんの話がはずみ、私はあまり話に入って行けなかった。少し生き生きと話す風見さんと七尾くんは、本当に兄妹のように見える。

 


萌ちゃんが出発してからゆうに10分は経った頃、風見さんが急に気がついたように「そういえば、皆さんは何をしていたんですか?カメラとかいろいろ持って・・・」と聞いてきた。


「私たちは映画研究部なの。映画を自主制作して、コンクールに出品するのよ」
きらりと、輝く瞳を私に向ける。

 

 

 


「映画?映画って、特別な機械がなくても作れるんですか?」
うーん、と七尾くんが唸る。
「学校にそういう機械がある場合もあるだろうけど、うちの高校の場合は、ちょっといいパソコンとソフトを使うくらいだよ。あとは綺麗にとれるビデオカメラがあれば作れるんだよ」
風見さんはさらに瞳を輝かせていた。

 

 


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