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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第49・50話 [第二章「銀幕の裏側で」]

Posted Date:2009/01/19(Mon) 08:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第49・50話
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「すみれちゃんね!会いたかったわ」
翠は嬉しそうに微笑んだ。
「久しぶりね、すみれちゃん」
ひかりも声を掛けている。

 

「・・・本当に、そっくりですね」
萌は、昨日の少女、さくらと比較しているようだった。

 

 

「そういえば、どうしてわざわざ下で待ち合わせにしたの?橋の上でも良かったんじゃない?」
しばらく話しているうち、ひかりが唐突に萌に聞いた。
ひかりも以前さくらに会ったことがあるらしく、もう一度会うために来たらしい。
「そうなんですけどぉ、さくらさんが、一秒でも長く合唱の練習したいって言うので、ここにしたんですぅ」

・・・別に橋の上で待ち合わせしてもそんなに時間は変わらないと思うが。というか、なぜわざわざ川べりに下りて練習するのだろう。
極論を言ってしまえば、歌の練習ぐらい放課後の学校でも、カラオケボックスでもできそうなものだ。

 

 

「あ、来ましたよ!」
翠の声に、全員が上を見ると、確かに風見さくらともうひとり、女の子が下りてくるところだった。

下りきるとさくらは深々と頭を下げ、昨日はありがとうございました、と言う。
そして萌に、紙袋に入れられた上履き(たぶん)と、それとは別に小さな袋を渡した。
おそらく、お礼のお菓子か何かだろう。

 

 

隣の少女がすみれに気づいた。
「ねえ、あなた・・・さくらそっくりね!」
その瞬間、意外なことが起きた。
すみれの性格からして、きっとこういうとき、「わぁ、本当!鏡みたい!」と叫んだりして、こう・・・騒ぐと思っていたのだが、すみれはまるで昨日のさくらのように、硬い表情のままだった。
「本当。・・・そっくり」
静かにそういうと、ぎこちなく笑い、さくらに握手を求めた。

なんだか違和感がした。
もしかして、二人は既に会ったことがあるんじゃないか・・・。
だがこのときはまだ、自分の中に沸いた、そんな馬鹿げた想像にさえ、まだ気づいていなかった。

 



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さくらさんに単刀直入に聞いてみた。

「小さい頃、川に落ちたことない?」

虹色プリズム第49・50話イラスト

「どうして知っているですか?おぼれかけたんです。覚えてないんですが…。」

 

やはりさくらが川に落ちたらしい。まぼろしをたどるとその時誰かが助けようとして亡くなっているはずなのだが、いやなことを思い出させるのはかわいそうなので、それ以上聞かなかった。

 

聞いたとしてもたぶんその話は聞かされていないだろう。誰でも幼稚園以前の記憶はほとんど覚えていないし、覚えていても断片的なものだ。

するとさくらの方から話しだした。

 

 

「ほんとに危なかったらしいのですが、近くにいた大学生が助けてくれたそうです。その命の恩人とは今でも時々手紙をやり取りしてますよ。助けてもらったのに食事をごちそうになったりして」

 

 

あれ!?俺の想像していたことと全然違う。助けたのは俺のおやじで、助けた後におぼれて死んだ、それを隠すために外国で交通事故死したと幼かった俺たちは信じ込まされている。そう、思い始めていたところだったのだ。

記憶は嘘をつくといわれているらしい。そう思いたいように記憶を作り上げる。父の死とまぼろしの少女をどこかで勝手に結びつけていたのだろう。

この前おばさんが来たとき気になることをいっていた。母に話しているところを偶然聞いてしまったのだ。

 


「蒼也君、兄さんにそっくりになってきたわね。映画が好きなんだって。兄さんも映画つくっていたわよね。それでは食べられなくて商社マンになったんだけどね。そこでおねえさんに出会って七尾家の養子におさまって、私たちは安心したんだけどね。あんなことがあって、さらに事故でしょ。時々、お兄さんはやっぱり映画を作っていた方が幸せだったのかなって思うこともあるのよ」

 

 

普段からずけずけというおばさんなのだが、いやみはないので母とも仲良くやっているのだ。

 

 


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