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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第55・56話 [第二章「銀幕の裏側で」]

投稿日時:2009/02/09(月) 08:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第55・56話
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私とすみれちゃんは、まるで鏡を見ているかのようにそっくりだった。
当時はその理由も考えず、ただ面白がった。すみれちゃんとはたくさん話した。
気も合い、楽しく話し続ける私たちを見守るように、傍らにはいつもパパがいた。
それからしばらく、私たちはよく会っていた。


不思議だったのは、すみれちゃんもパパのことを「パパ」と呼んでいたこと。


しばらくして、私がいつものように川原に行くと、そこに見たことのない男の子がいた。
パパは私に「ちょっと待っていなさい」と言って、ひとりですみれちゃんと、その男の子に近づいて行った。


そして・・・


記憶はないけれど、しばらく後、私は川に流されていた。流されながら、川原で何かを話し込んでいたパパやすみれちゃんの顔が見えたことは覚えている。パパが驚いて、私を助けようと川に入って・・・でも、実際に私を救ってくれたのは大学生の男の人だった。


その翌日から、パパはうちに来なくなった。


小学生の時の記憶は割とあやふやなのに、もっと幼い、その時の記憶だけは妙にはっきりと覚えていた。

今ならわかる。きっと、私のパパとすみれちゃんのお父さんは同一人物だったのだ。
つまり私とすみれちゃんは・・・。

 

「すみれちゃん。おじいちゃんは、私の本当のおじいちゃんじゃないんです」
混乱しながらも、とりあえず「おじいちゃん」が誰なのかから話そうと思った。
私が「おじいちゃん」と呼んでいるのは、パパの恩師だった人。パパが高校時代、映画のコンクールで入選したときに、顧問をしてくれていた先生。

パパのこと、どう話せばいいのだろう?

 

 



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高校の正面玄関から入るとガラスの陳列棚がありその中に古ぼけた小さなトロフィーがある。それが25年前に高校映画コンクールで映研がグランプリを取った時のものであることを知る者はもういない。映画研究会の部員ですら知らない。異動が激しい公立高校ならば当然のことだ。実はそのトロフィーには蒼也の父・佐藤信也の名が脚本・監督としてまたその時の部員の名前と顧問として木戸の名前が刻まれていた。

これは木戸自身がトロフィー受賞後に記念として全員の名前を自腹を切って彫らせたものであった。

木戸はこのトロフィーを今の校長に許可を取り持ってきていた。

それをまず部長である蒼也に渡した。そこに父の名があること確認して、ひかりに回した。蒼也にとって父が優勝したときの監督であった事実ははじめて確認することであったが、もはやあまり驚かなかった。映画作りを通して父の存在を近くに感じていたのである。幻の天才監督と当時騒がれた人物が父であったことはあの夏の合宿の時に木戸の様子からうすうす気がついていた。

さくらにトロフィーが回った時、さくらは「あっ」と小さな声をあげた。母の名前を見つけたのだ。さくらは母から一言も映研にいた話を聞いたことがなかったからである。

トロフィーが一通りみんなに回ったのを確認して、木戸が遠くを見つめながら少し声のトーンを落として話しはじめた。あまりに芝居がかっているので少し滑稽であったが、この人から知らない真実が語られると思うと笑う者はいなかった。

「私が顧問であったことをみんな確認してくれたね。そして佐藤信也君が脚本と監督であったことも。そう、佐藤信也君こそ、当時、天才映像作家出現と騒がれた人物であり、七尾蒼也君とすみれさん、さくらさんのお父さんでもあった人なのだ。今日その話をしようと思って学校からトロフィーを借りてきた。」

 


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