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虹色プリズム☆第57・58話 [第二章「銀幕の裏側で」]
◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第57・58話
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天然の萌が驚きの声をあげた。すみれも少し動揺していた。
さくらと兄弟であることは知っていたが、映画との関わりについてはあまり知らなかったのである。父のことを3枚の写真でしか知らないさくらはむしろ先が知りたかった。大げさにゆっくり話す木戸の話振りに少しいらいらしていた。
「おじいちゃん、先を早く話して」
「さくらちゃん、すみれちゃん君たちにとって少しショッキングなこともあるかもしれないけど、話すよ、いいかな。実は二人のお母さんには今日話すことを言ってある。お二人とも私にまかせるということだったので、話すことにしたんだ。」
「私ももう中学2年生です。どんな話でも大丈夫です。それよりも真実を知りたいのです。同じ父を持つ3月10日生まれのすみれと4月1日生まれのさくらさんがいるのか。」
すみれが口を開いた。
「みんなに聞いてもらってもかまわないのかね。」
「かまいません、父を信じていますから」
蒼也が兄弟を代表するように答えた。
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「さくらちゃん、お母さんの名前もあったろう。風見ゆりさんは2年生の部員だった。信也君とゆりさんはとても熱心な部員で優勝作品の脚本を仕上げるのにゆりさんの力が大きかった。話題はいつも映画の話や読んだ小説の話で仲もとても良かった。私は顧問であったが、実は演劇が専門で、映画はよくわからなかったのだが、みんな研究熱心でどんどん自分たちで映画作りのことを学んでいった。
なかでも信也君の映像感覚はすごくて、映像が見えるような脚本を書いていたし、撮影になるとあたかも作る絵が先に見えているように指示することができた。普通の人間では考えつかないアングルからの撮影など何度も私たちを驚かせた。部員たちの結束も強く、顧問であった私がいうのも何だが、みんなで見事な作品を仕上げてコンクールに出品し優勝したのだ。
コンクールが終わって信也くんは大学を芸術学部にするか迷ってなんども私に相談にきたが、結局、両親のことを考えて国立の経済学部に進学した。さくらさんのおかあさんは一年後輩であったが、やはり映画とは関係のない短大の英文科に進学した。
私も映研の優勝の翌年に丸岡南高校に転勤となり、そこでは演劇部の顧問に戻り、丸岡南高校を最後に定年を迎えた、定年後は自分の劇団を作り、そちらで20年活動してきた。
卒業生たちとはしばらく年賀状をやりとりするだけであったが、私が劇団をやりはじめてからは公演を見に来てくれるようになり、部員が自然と集まるようになった。
信也君は卒業後、やがて商社に就職し、結婚。蒼也君が生まれた。ゆりさんは、短大を卒業して信用金庫に就職。もともと演じることも好きだったので私の劇団に入った。
信也君は商社に入り忙しく世界中を飛び回っていたので顔を出すこともなかったが、日本経済がバブルに浮かれているときに商社のやり方に疑問を持ち、悩みぬいて私のところに相談にきた。何回か話すうちに、昔の映画のことを思い出したのか、
商社をやめて森林伐採のひどいやり方を告発するドキュメンタリー映画を作りたいといってきた。かなり悩んでいる様子だったが映画の話になると別人のように輝いていた。
その時に熱心に話を聞いていたのがゆりさんだった。映画にする話はとんとん拍子に進み、信也君も元気を取り戻していった.....。
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