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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第61・62話【最終話】 [第二章「銀幕の裏側で」]

投稿日時:2009/03/02(月) 08:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第59・60話
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どんと構えているべきなのかとは思うが、手に汗をかいていた。
「虹色プリズム」の完成試写会である。

どんな切り口で演出するか散々迷った。
淡々としたドキュメンタリー調?
それも悪くはないが・・・
映画はやはりエンターティメントだ!

 父に対する対抗心もある。
賞を狙える作品を・・・こけおどしでは意味がないが、賛否両論が分かれるくらい衆目を惹きつけるものを!

・・・傲慢だろうか。

だが今は、少しでも多くの注目を集めたい。
がんばってくれた仲間たちのためにも・・・

 ひかりの横顔をそっと見る。
真剣なまなざしで画面に見入っている様子を確認して、安堵した。

           

 虹をバックにしたエンドロールが終わる。部室は拍手に包まれた。明るくなった部屋の中、みんなの顔を見回す。


ひかり、さくら、すみれ・・・

翠、萌、黒木、岡野・・・

そして深雪先輩に木戸先生。

どの顔も満足げに見えた。

 
 父を、越えられただろうか?わからないけれど・・・俺は俺にしか創れないものを創った。


なら、それでいい。

 


「グランプリおめでとう!!」


窓の外には虹の橋が見える。木戸先生の紹介とは思えないほど今風の、おしゃれな喫茶店で、ジュースや水、アイスティーなど、各自好みの飲み物が入ったグラスを高く上げ乾杯した。



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参加者はもちろん、映研メンバーと出演者、その指導に当たった木戸先生と逢坂さんである。(映研本来の顧問の先生は欠席)

「いやぁ、さすが七尾だなぁ。俺の指導が良かったんだな」
久しぶりに顔を出した黒木は、そんな勝手なことを言っている。


「何を言ってるんですかぁ~。黒木先輩、映画については何にも教えてくれなかったじゃないですかぁ~」
萌は少し不満顔だ。
「何を言ってるんだ。編集の仕方は俺が教えたんだぞ」
慌てる黒木。


「はい。確かにマニュアルをもらいましたが、実際に教えてもらったことは・・・」
「七尾っ!それは言わないであげてくれ」

岡野のフォローに、すみれちゃんやさくらさんも思わず笑っている。
日頃はぼんやりした蒼也も今日は何だかのりがいい。

ふふっと思わず笑っていたら、そんな私を隣から翠が笑顔で見ているのに気づいた。
「ひかり先輩も、F大学合格おめでとうございます」
天使みたいな笑顔で小さくそう言ってくれると、なんだか嬉しさが二倍になってしまう。

映研と同じだけ、いや、もっと。勉強にも手を抜かなかった私だけれど、結果、上手く推薦枠に滑り込めて、黒木や岡野よりひと足早く進路が決定した。
「ありがとう。でも、まだみんなには内緒よ」
小声でそう返事をすると、翠は「もちろん」と笑った。

いいな、と思う。こんな笑顔があれば、もう少し素直に七尾にも・・・。
まぁ、結果良ければすべてよし、としよう。


作品が仕上がり、大会へ送った後、七尾は私に告白してくれた。そして、私たちは現在、一応付き合っている。

「ほら、みんなジュースばっかり飲んでないで、食べて食べて!何しろ奇跡のグランプリを獲得したんだから!」
元気にそう言ったのは深雪だった。
この喫茶店のオーナーである、木戸先生の教え子と一緒に、ピザやらサンドイッチやらをたくさん運んでいる。
今日のパーティーにかかる経費はすべて木戸先生の奢りというから、相変わらずの太っ腹さである。


「あ、手伝います!」


翠と私、そして萌が同時に厨房の方へ向かおうとすると、オーナーが片手でそれを止める。
「だめだめ。今日の主役なんだから、パーティーを楽しんでくれればいいんだよ」
ふふふ、と私たち三人は笑った。


「何を言ってるんです。主役は七尾くんですよ」
私が大きめの声でそう言うと、みんなの視線が一気に七尾に集まる。

 

今回、全国グランプリおよび最優秀脚本賞を受賞した、まぎれもない【我が映画研究会のヒーロー】七尾蒼也は、照れくさそうに笑った。

<完>


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