聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」
虹色プリズム☆第20話 [第一章「蒼夏の頃」]
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◆虹色プリズム
├第一章 蒼夏の頃
└第20話
※携帯小説『虹色プリズム』のHP掲載は、
毎週月曜日に変更になりました。
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みんなは驚いて、
「どうしたんですか、先輩。来るなんて聞いてなかったし、しかもこんな早く。」
「いや、いや、いろいろあって車中泊なのよ。」
月森があわてて深雪のところに駆けより小声で話かけた。
「どうしたんですか!先輩!夜中に進入してみんなを驚かせる段取りだったんじゃないですか!」
「ごめん、ひかり。雷がなったんで怖くなって車でじっとしてたのよ。車の中は安全っていうから。」
「まったく!でも七尾君のこと、うまく行きましたよ。だいぶ見えて来たって、シナリオ。」
黒木が声をかけてきた。
「何を二人でこそこそ話してるんですか。先輩もこちらのテーブルで食事をどうぞ。」
「ありがとう、いや今日は陣中見舞いってやつだよ。ほらスイカ。」
月森が意を決したようにすっくと立ち上がり話した。
「みんな、聞いて。実は管理人の木戸さんをはじめ3人のみなさんは私と逢坂先輩で頼んだ劇団の方です。木戸さん、芦谷さん、木ノ下さん、ありがとうございました。みなさまの演技は完璧でした。勉強になりました。もう結構です。」
七尾以外のメンバーは目をぱちくりさせた。なんのことだかさっぱりわかない。羽沢翠が抗議の声をあげた。
「恐い思いをさせておいて、『演技だった』はないんじゃないですか、先輩!」
「ごめんなさい。これも映画祭のためなの。映画はやはりシナリオ。しっかりしたストーリーが組み立てられてないとどんなに映像が優れていてもだめなの。七尾君のシナリオにかかっているのよ。グランプリをとるためには、どうしても、彼のシナリオが完璧である必要があるの。」
逢坂深雪が力をこめていうものだから、みんなだまってしまった。
「えっ!グランプリって俺らがですか。」
岡野がすっとんきょうな声をあげた。
「そうよ。獲るのよ、獲れるのよ。」
月森がそういった。
「実は君たちの高校の映研が全国でグランプリをとった時の顧問が私だ。」
管理人、いや劇団の木戸が話し始めた。
「君たちの大先輩がグランプリをとったのは知っているだろう?知らないの?部室とかに古い写真とかあるじゃろ。私は、その時、ある青年と出会った。彼の脚本はすばらしく、まるで見たかのような描写力に舌をまいた。
これは天才だと。一ヶ月ほど前に逢坂さんから電話をもらった。あの人が帰ってきたと。それで、この話を受けたわけだ。若い劇団員をともに。」
「あの人が帰ってきた!」
いっせいに視線が七尾あおやに集まった。。
映研のヒーロー誕生の瞬間である。
第一章 (完)
第二章 虹色のプリズム 銀幕の裏側で に続く。
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