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聖学院大学提供│携帯小説「虹色プリズム」

虹色プリズム☆第21・22話 [第二章「銀幕の裏側で」]

投稿日時:2008/09/29(月) 09:00rss

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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第21・22話   
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若い男女が声をひそめて話している。顔は見えない・・・・

 

「あのシーンは、人形なんかじゃだめだわ」

 


「俺もそう思うけど・・・なら、どうする?」

 


「本物を撮るのよ。夏休みの川辺なら遊んでいる子はいくらでもいるわ」

 


「そうだな。しかし・・・」

 


「一人くらい川に流されても不思議はない、そうでしょう?」

 


 女の声には静かだが有無を言わさぬ迫力があった。
男がつばを呑む音が聞こえた。

 


「・・・・・・・流されなかったら?」

 


「そのときは・・・わかるでしょう?溺れた子を助けるだけの話よ。私たちがついていれば、何も危険はないわ」

 


「・・・・すみれは、このシナリオの重要人物だからな」

 


「そうよ。いい加減な絵をとるわけにはいかない」



 「・・・すみれ?!」

 


俺は驚いて飛び起きた。
ここは・・・山荘のベッドの上だ。ぐっしょり汗をかいていた。

 

なんなんだ、今の?夢・・・か?


あの女の声・・・どこかで聞いたような。
そして話の中のシーン・・・はっきりとは語られていなかったが・・・


 

もちろん俺のシナリオにはそんなシーンはない・・・
だが、俺のイメージの中には。川辺を走る少女・・・そして。
あれは、夢じゃなかったっていうのか?


あの女・・・あれはまさか。

 


コンコン。ノックの音で、呆然としていた俺は現実に引き戻された。

 


「起きてる?ご飯よ~」

 


「あ、はい・・・」

 


・・・・深雪先輩?あの声は・・・

 


俺は深呼吸した。落ち着け。なんでもない、いつもの夢だ。すみれは無事でいるじゃないか。


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月の終わりの午後。

 


空は厚い雲に覆われている。学校からの帰り道。

かろうじてまだ夏休みであるが、今日は映研のミーティングがあった。

話し合いの内容は、次の作品のプランニング。次の作品というか結局、合宿で撮った素材は捨てて脚本も大幅に見直し、ほぼゼロから作り直す、という方向に落ち着いた。

 

学校から蒼也の家までは、徒歩でおよそ 10 分である。

 

自転車だと 3 分もかからない距離なのだが、緑ヶ丘高は、駐輪場のスペースの都合で自転車通学は登録制となっており、学校からあまりに近い蒼也のような生徒の場合、駐輪場の使用許可がおりないのだ。

 

街の南西部、蒼也の住む町と学校のある隣の市を分ける形で流れている緑川。

蒼也は、その緑川に架かる「虹ノ橋」という橋を渡って学校へ通っていた。

橋の手前にある石柱のプレートによると全長 416 メーター。

さらにプレートより補足すると、橋が完成したのは、ちょうど蒼也の生まれた 17 年前だ。

 

 

橋の下、土手にあるグラウンドで歓声を上げている草サッカーの試合、虹色プリズム第21・22話イラスト

川沿いを犬と散歩している人・・そんな風景をぼんやりと歩き見しながら蒼也は考える。

 

 

この川、ロケ地に良いと思うんだけどなあ。

絵になる画が撮れそうなものだが・・。

部長たちからは、あまりに近所過ぎて面白くない、ということで却下されてしまったけれど。

 

 

 

それにしても、夏のロケ合宿のあたりから断続的にずっと続いている、あの「既視感」はなんなのだろう。

自分の部屋、教室、夢の中・・俺は頭がおかしくなったのか?それに何故、「すみれ」ばかり出てくる?

 

 

ちなみに来年受験生になるすみれは、蒼也の通う緑ヶ丘高ではなく、

電車で 3 つ先の駅にある私立の高校を受けることをもう希望している。制服がお気に入りらしい。

生暖かい風が蒼也の頬を撫でた。空を見上げると今にも雨が降り出しそうだった。

 

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