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虹色プリズム☆第25・26話 [第二章「銀幕の裏側で」]
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◆虹色プリズム
├第二章 銀幕の裏側で
└第25・26話
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でも、2時前にミーティングが終わるなんて、本当に珍しいことだった。
きっと本当の原因は黒木の勉強の都合だろうけれど・・・。
新学期が始まるってことは、夏休み明けの実力テストが迫っているということだ。
今日が夏休み最後のミーティングだったけれど、
七尾はミーティング終了直後、電話が掛かってきて、そそくさと帰ってしまった。
室内にいるのは、家族で出かける用事があり、家の人が迎えに来ると言ってゆったり雑誌を捲っている萌と、私と同じく帰り支度をしてる翠。
つまり、映研の女子メンバーしかいない。翠とはこの後一緒に帰る予定だ。
「じゃあね、萌ちゃん」
翠が声を掛けると、萌は雑誌から顔を上げ、座ったまま軽く会釈した。
「さようなら。また新学期に」
ひらひらと手を振って、萌はにこっと笑う。萌って何気に大物な気がする。心の中で苦笑した。
私も翠も、そして萌も、家の方向は同じだ。家まではゆっくり歩いても15分くらい。
翠や萌も、そんなに距離は変わらない。
「シナリオ、完成しそうですね」
翠が安心したように微笑む。
「そうね。でも、これからが大変よ。ロケ地もまだ決定していないんだから。3年生はもうあまり顔を出せなくなるし・・・」
それに先生は頼りにならないし、と小さく付け足すと、翠も苦笑した。
「・・・新学期からは、どのくらい顔出せるか分からないけど、七尾君にあまり厳しいことは言わないであげてね」
私がそう言うと、翠は意外そうな表情を見せた。
「でも、七尾くんが先頭きって動いてくれないと、どうにもなりませんよ」
そう。確かにこの夏休み、ああだこうだと七尾を急かしたりしてミーティングを進めたのは、私である(黒木君は全くアテにならない)。
だが深雪に、才能があるということと、適性があるということは少し違う、と言われた。
・・・慎重さも必要なのだ。
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深雪さんは、七尾を「育てたい」と考えているのだろう。
「まぁ、部活だしね。学業優先しなくちゃ。家族や先生に睨まれたらオシマイだもん」
そう言って笑ったら、翠は納得したらしい。
「七尾くんだけに押し付けてもいけませんしね。私も頑張ります」
そう。この夏休みのミーティングは、殆どがシナリオの練り直しだったのだが、
実際には3年生と七尾が中心で、他のメンバーは話に加わるのが精一杯というところだった。
逆に、他のメンバーの学ぶ機会を奪ってしまったかもしれない。
そう思うと心が痛かった。
「今日は風があるから、あまり暑さを感じませんね」
ふっと考えこんでしまった私の耳に、明るい翠の言葉。確かに、湿気を含んではいるが、風が気持ちいい。
「そうね。ねぇ、ちょっと川原に下りておしゃべりしない?」
ちょうど橋の真ん中を通っていたときなので、私はそう言ってみた。
柵の途中にいくつか扉があり、橋に一番近い扉の鍵は開いている。
扉から川原へは、粗末ながら階段もあるから、安全に降りることができるのだ。
今ごろだと野球をする少年たちがいるが、今日はいないみたいだし。
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