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【The 聖学院物語】 パンフレットには載っていない物語を掲載

卒業生が姜尚中先生の小説『心』をレビュー【その1】 [卒業生]

投稿日時:2013/05/20(月) 17:46

2013年4月に刊行された、聖学院大学全学教授 姜尚中先生が執筆された小説『心』について、欧米文化学科卒業生で、2012年に作家としてデビューした木村綾由子さんから、レビューを寄せていただきました。ご紹介いたします。

木村綾由子:
2010年3月、聖学院大学人文学部欧米文化学科卒業。
自身の体験を基にした小説『ミゼラブル』文芸社 (2012)でデビュー。


姜尚中『心』レビュー① 誰にでも生きる意味はある

確か大学2年の夏からだったと思うけれど、大学のリトリート(学生や教職員が集まり、テーマに沿って話し合う会)に参加しました。
そこでは、あるテーマに沿って班ごとに話し合い、意見を交換し合い、私はそこで感じた感情を、再び本作品で蘇らせることが出来ました。

あるテーマとは「死」、「孤独」、「自分」……。
決められたテーマ自体にはその言葉は入っていなくても、そのようなことを沢山話し、そして同級生、先輩、後輩、人生の諸先輩方から聞くことが出来たのです。それは私の貴重な体験になりました。
「死」、「孤独」、「自分」。
それについて深く考えさせるストーリーがこの作品には詰まっています。
自分は何者かについて、また友人や恋について考える主人公直広の真面目さに心を打たれ、さらに青春とはその一瞬しかないものだと、感慨深い気持ちになります。

この小説では、沢山の言葉に胸を打たれました。
中でも私が最も心を揺さぶられた言葉は、直広の「もしかしたら自分は間違っているのかもしれない、だとしたらどこが間違ったんだろうという疑問を常に抱きながら生きていく」という言葉。
それは私の中にあった思春期のような悶々とした不安を少し安らかに、そして強固なものにしてくれました。
誰にでも、生きる意味はある、と。


レビュー【その2】は こちら から


■参考
姜尚中著『心』 amazonサイトは こちら から