SEIGAKUIN UNIV Open Campus BLOG
8/22オープンキャンパス人間福祉体験講義(報告) [オープンキャンパスの報告]
8月22日のオープンキャパス、人間福祉学科の体験講義では古谷野先生が、
「助け合いから人間福祉へ」という話をしてくださいました。
はじめに、古谷野先生の紹介をします。
【古谷野 亘(こやの わたる)】
古谷野先生は、主に「高齢者福祉論」「社会調査法」「社会老年学」などの講義を受け持っておられます。
では、さっそく講義の内容をご紹介します。
ミレーの「落ち葉拾い」の絵に見られる「助け合い」
古谷野先生は、まず19世紀のフランスの画家「ミレー」の作品をいくつか紹介され、その中の1つ「落ち穂拾い」の作品から「福祉」の話に入られました。
この作品は、麦の収穫の時期に麦の収穫とは別に3人の裕福でない女性が「落ちた麦の穂」を拾っているのが描かれています。そして、これが実は「助け合いの仕組み」になっている、と先生は言われます。というのは、旧約聖書の中に書かれてある「全てを刈り取ってはいけない。貧しい者のためにとっておきなさい。」という掟、規則が守られているからなのです。そして、この助け合いの一つの規則は、旧約聖書の書かれた3000~4000年前に既にできていたわけなのです。
19世紀のフランスは、「フランス改革」の余波があった時代。社会福祉のない時代に、人々は、村の中にある助け合いの規則、風習に助けられていました。つまり、これが古い形の社会福祉であったのです。
「児童養護施設」の昔と今
日本でも終戦後、一番弱い立場の子ども達が取り残されました。でも、自然発生的に集まり、生きるための行動、大人から物(食べ物)をひったくることを始めました。そこで、大人たちが子どもたちに住むところを与え、食事を提供し、お風呂に入って清潔に、勉強を教える。しっかり教育をしようとする施設、今でいう児童養護施設ができました。
今でもその時代にできた施設はあり、入っている子どもたちもたくさんいますが、状況が全然違っています。今は、親はいるけど、子どもを大事に育てる親ではない。また、親元にいることができなくて施設に入っている子が多いのです。昔と違って食べ物がたくさんあり、着る物はあります。
そして、今の施設の子ども達は、しばしば生きる力が萎えてしまっているのです。「生きる力を取り戻してあげる」。これは、実は、昔の戦災孤児を育てるより、はるかに難しいこと。「食べ物がない、着る物がない」ことに対しては、分けることで助け合うことができました。
でも、今、施設に入ってくるのは、心の中、精神の中が萎えてしまい、自分の力で生きることができなくなった子どもたちが多くなってきている。それらをどう癒していくかが難しく、困難で、それなりの勉強が必要になってくるのです。
視覚障害を持った人を見かけたとき、あなたならどうしますか?
駅の構内で、視覚障害者を見かけました。さあ、あならならどうしますか?
古谷野先生は、その人の様子を見て何もしなかったそうです。というのは、その人は通勤の途中であるらしいこと、そして杖は持っているがほとんど使っていなかったので、その場所に慣れ、行動が習慣化しているということがわかったからです。
また、ホームで電車に乗ろうとしている視覚障害者がいました。ところが、電車が停車位置を1メートル過ぎた。前にはドアがない。さあ、あなたならどうしますか?
先生は、この時には声かけをしたそうです。困っている様子だったからです。ドアの位置を言葉で教え、肘を差し出しました。手を引くことはしませんでした。そして、先生が電車を降りる時に、車掌に「目の不自由な方が乗っておられます。」と教えて行かれたそうです。
なぜ、そのように対応できたのだと思いますか?
知識があるかないかの違いです。昔と違って人助けが難しくなってきた。その人が、どういう風に行動しようとしているのか知っていないと手助けすることができない。心が傷ついた人を支えるのにも知識がないとできない、理解してあげられないのです。
昔と現在とでは、手助けの方法が異なる。
その人が、何を必要としているのか、その人にどうしてほしいのかと聞く態度も必要です。
施設や病院の中では、知識と技術を必要とした専門職が必要ですが、社会全体にも福祉を勉強した人、福祉の心を持った人が必要です。社会に出て活躍してくれたら、過しやすい社会になっていくのです。
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